う~ん、困ったなぁ。ちょっと待ってよ。
冬が暖かくなりすぎて、僕の住むところでも桜の開花が
例年よりも随分早くなるらしいとニュースが伝えている。
僕の仕事も、春に向けて一つのハードルが越えられるように
ここまで必死に走ってきたけれど、まだまだ1本目を蹴ったばかり
春が来るのは嬉しいけれど、年々季節だけが早く来るのは困るのだ。

毎朝、通勤で通る道の傍に大きな白木蓮の木がある。
桜よりも一足先に花を咲かす、この花の蕾がそろそろ開きそうな気配。
かたい蕾を日に日に大きく膨らませて、青空に向けて真っ白な花弁を
ふわりと広げる木蓮の花が、僕は好きだ。
でも、花の名前を知ったのは、実は随分と大人になってからで
暫くはコブシと木蓮の見分けもつかなかった。
知るきっかけは、スターダスト・レビューの『木蘭の涙』という歌♪
木蘭は木蓮を漢語で表すものだとか。
亡くなった愛する人を想う歌詞がとても切ない。
木蘭の蕾を検索して、この花のことだと分かった。
この歌を聴くと、思い出すことがある。
しんみりとしたアコースティックバージョンがウイスキーのCMで使われだす頃
スタレビのボーカルの根本要さんが、僕の住む隣の街で開催されるイベントに
出ること知って、家族4人で見に行った。(2004年3月20日)
息子が名前を良く知らずに、デモトナナメに逢いに行こうと言って
皆を笑わせていたのが懐かしい。
スタレビは、上の子が妻のお腹の中にいるときからコンサートにも行き
浜省の次ぐらいに、当時、我が家の車の中でいつも流れていて
子供達もたくさん歌を知っていたので、生歌が聴けると喜んで付いてきた。
要さんはアコースティックギター1本で、スタレビの名曲の数々を披露してくれた。
「夢伝説」、「今夜だけきっと」、「トワイライト・アヴェニュー」
「ブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス」
「ふたり」、「追憶」、「1%の物語」、、、
スタンダードソングに混じって、当時新曲だった「本日のスープ」の歌詞を
間違えたふりをして何度も歌って、お客さんに無理やり覚えさせようとしていたっけ・・・
そして、何曲目かに「木蘭の涙」を歌ってくれた。
要さんが立つステージまで、わずか5mぐらいのところに立って聴いていたのに
清んだ歌声が次第に遠くなって、不覚にも僕は涙をこぼしそうになった。
その頃すでに、妻の抗がん剤治療にも限界を感じていて、僕だけが全てを知っていた。
奇跡を信じながらも、目の前に立つ妻は、来年はもう僕の側にはいないのだ。
そんな思いが、振り払っても、振り払っても、頭の中を飛び交った。
もしもあの時、僕ら以外に誰もいなかったら、
きっと僕は、目の前の妻をきつく抱きしめていただろう。
♪逢いたくて 逢いたくて
この胸の ささやきが
あなたを 探している
あなたを 呼んでいる
いつまでも いつまでも
側にいると 言ってた
あなたは 嘘つきだね
わたしを 置き去りに♪
木蘭の涙/STARDUST REVUE ♪YouTube
この歌を聴いても、もう泣かなくなった。
それは、青空に向かって咲く木蓮の真っ白な花に
辛い冬を耐えた、生命の息吹を感じられるようになったから、、、
さあ、春がきた。
僕も、負けられない!
最近のコメント